「合理主義」=「資本主義」?
「無駄なことが嫌い」ととある番組でおっしゃっていた。
「結婚してる女友達とは会わない」「鳥ハム以外食べない」など、彼独自のルールがある様子だ。
それに対して、
「小説を書くことは無駄なことではないのか?」という問いがインタビュアーからされたとき、なんだかとてつもない違和感に襲われた。
この質問からは、暗に「金に結びつかないこと、人の役に立たないことはぜんぶ無駄」という固定観念が透けて見える。(極端かもしれないが。。。)
羽田さんにとって、彼独自の基準はあるにしろ、結局言い分はシンプルで、
「自分が好きなこと、有益だと思うことに時間を使いたい。そうでないものには時間を割かない。」ただそれだけのことなんだと思う。
お金を稼ぐことに必死になって、休日も返上して働き、趣味もなく、少ない余暇の中で「とりあえず高級なものを」といった基準でモノを選ぶ生活の方が、私にとっては無駄だらけに思える。(あくまで私にとって、と言うだけで、批判の意図はない)
私自身はというと、本を読んで映画を観て音楽を聴いて、美味しいご飯を食べることが何よりの喜びで、仕事は生活の為に仕方なくやっている。
自分の生き方が全て正しいとは思わないが、そういう「心豊かな暮らし」を奨励する向きが世間にはまるで無い。
いつかは私も慣れてあきらめがつくのだろうか?
組織のルールに振り回され続ける毎日に。
北条かやさんの炎上に見る、「アカデミック」への世間の理解
北条かやさんのTwitterでの「炎上」について目にした。
まず前提として、私自身は作家として雨宮さんのファンであり、「女子をこじらせて」は大変共感を覚えた。
一方で、アカデミック色の強い大学生活を送って来た私にとって、北条さんの主張も分かる部分もある。
この件に触れて何より私が感じたのは、
北条さんは「研究者」「大学という組織にいた人」であり、
雨宮さん・久保さんは「作家」「独立した人」であること。
両者においては価値観、もっと言うのであれば「ルール」がまったく違うということだ。
北条さんの「こじらせ女子の日常」を読んで受けた印象は、「エッセイというより論文ぽいなあ」だった。
私が大学での研究生活を通じて学んだ、
研究論文のお作法をざっくり示すとこんな感じだ。
・客観的な事実の積み重ね9割、その上で自分の主張が1割
・自身の感情や、道徳的な配慮よりも、客観的な事実が大事。どんなにエゲツなくとも、事実は事実。
・あいまいな表現や、造語に近いものは、定義が必要。また、他者の著作物から同じ言葉を引っ張ってくることは、引用元を明示すればOK
研究者の間では、少なからずルールとして共通認識があるだろう。
分析の甘さを指摘されること、主張に意を唱えられることは大いにあり得るが、
そこはあくまで客観的な事実に基づいた指摘であるべきであり、感情論に基づいた指摘や批判はは「ルール違反」と見なされるのである。
ただし、これはあくまで「研究の世界に身を置く者」同士だからこそ通用するルール。
じゃあ、北条さんはどうなのかと言うと、
SNSという媒体を使い、「エッセイ」という形式を取った以上は、アカデミックの世界を飛び出し、「作家」の世界と見なされてしまうのだろう。
そして、作家には作家の世界のルールやモラルがきっとあり、(私には分からない世界だけれども…)北条さんも少なからずそのルールに従わなければならなかったのだろう。
雨宮さんや中村さんの主張は、きっと正当なものなのだろう。
「若くてかわいい、京大院卒の才色兼備な女性が、キャバ嬢という奇抜なテーマを扱っている」という目新しさと話題性ゆえに、
本来地味なアカデミックの世界から、世間の表舞台に引きずり出された人。
北条さんに対する私のイメージだ。
本人の発言や振る舞いよりも、論文=研究成果そのものが評価される世界に身を置いてきた人にとって、
まったく別世界のルールにすぐ順応できるのだろうか?
私自身も、企業という大きな組織に放り込まれた時、作法の違いに大いに戸惑ったし、未だに馴染めていない。
それでも、教育体制がしっかりしていたのと、フォローしてくれる周りの人のお陰で、なんとか今日までやってきた。
それに対して、北条さんの場合は、研修などある筈もない。
そして、モラルを持った編集者にも恵まれなかったようだ。
これまでとルールのまったく違う世界に引きずり出されて、誰もそれを助けてくれない。
そんな立場で、担当編集者にモノが言えるだろうか?
覚悟を持つ以前に、気づいたら舞台に立たされていたのではなかろうか?
SNSでの北条さんの発言には、
確かに「配慮」や「謙虚さ」が欠けていたかもしれない。
ペンを持った以上、急に表舞台に立たされてとしても、プロであることに変わりはない。批判されても仕方ない。それも確かだろう。
北新地の件で少なからず傷つけられた人がいること、雨宮さんの気持ちも正当なものだと思う。
「上手くやる」って難しい。
とりあえず自己紹介でも
26歳社会人2年目。
世間的には一応大手と言われている会社に勤務。
実家とは縁もゆかりもない、地方の田舎で営業やってます。
何かしら転機になれば…と思ってブログ始めてみました。
好きなことは
食べること・寝ること・読書・映画・インテリア
宜しくお願いします。